私は小さい頃から、木と一緒に生きてきました。
山に入り、苗木を植えたり、枝を落としたり、下草を刈ったり。自然の中での仕事は、子どもながらに大変でしたが、不思議と嫌ではなく、むしろ木のことがどんどん好きになっていきました。
そうした経験のなかで、木の育ち方や表情の違い、山の空気や土の香りに触れ、「木は生きているんだ」と感じたのをよく覚えています。
今、私たち 和nagomi がつくる家は、地元・十津川村で育った木を使っています。
十津川の山はとても深くて厳しい環境です。急な斜面でゆっくり、じっくり育つ木は、年輪が細かくて、芯がしっかりしていて、本当に丈夫です。成長が遅い分だけ、中身の詰まった、力強い木になります。
そんな木に囲まれた家は、空気がやわらかくて、どこかほっとします。
木の香り、足ざわり、時間とともに変わっていく色合い――
自然のぬくもりを感じながら暮らせる家は、やっぱり心地いいものです。
私は、山と木に育ててもらった人間です。だからこそ、木の力を信じ、木のことを大切にしながら、家づくりをしています。
皆さんの暮らしにも、そんな木の優しさを届けられたらうれしいです。